〈セレクト バイ ベイクルーズ〉での買い物帰りにクールダウン。夏の虎ノ門 ひんやりスイーツ&ドリンク。
8月終盤になってもまだまだ暑さが続く2024年。〈SELECT by BEYCREW’S〉でのショッピングで気分も体温もアップしたら、格別の“冷たいもの“で涼を取りたい。地元ファンで賑わう老舗アイスクリーム店から極上のソフトクリーム、まるでデザートのようなカクテルなど、虎ノ門でなければ出会えない晩夏のひんやりスイーツ&ドリンク5軒をご紹介!
地元に愛される虎ノ門生まれの老舗アイスクリーム専門店。
神谷町駅からほど近い一角でいつも人だかりが絶えないお店、それが〈ホームメイドアイスクリーム ソーワ(早和)〉。創業は東京タワーよりも3年先輩の1955(昭和30)年。生粋の虎ノ門生まれのアイスクリーム専門店だ。
創業当初は新橋や銀座、丸の内、赤坂など周辺ホテルの宴会場や結婚式場、レストランへの卸売が専門だったそうで、きっと昭和の高度成長期、ホテルや結婚式場での憧れのコース料理に華を添えてきたことだろう。
現在も百貨店やスーパーなどでの小売りはしておらず、自社工場で製造したアイスクリームを販売するのは工場併設のこの店舗のみ。
ガラスのショーケースには日々24種類のアイスクリーム&シャーベットがズラリと並び、季節素材を使った限定フレーバーも多数。ソフトクリームも看板商品で、水色のロゴ入りカップに絞られた姿が愛らしい。なんとソフトクリームには日替わりメニューがあり、慣れた様子で「日替わり(ソフトクリーム)ください!」と注文する常連も少なくない。
牛乳に加えて生クリームやバターといった乳製品をふんだんに使用し、乳脂肪分が高いため、コクがあり口当たりなめらか。それでいて後味がさっぱりと軽いのは、長年の研究による秘伝レシピゆえ。こうした手塩にかけたアイスクリームがシングル200円台で味わえる尊さたるや…! これも家族経営で真摯に営む懐の深さだろう。
三代に渡り通っているご近所さんが、店主とにこやかに挨拶を交わしながら日替わりソフトを買っていく光景も心が和む。
たとえば夏なら「スイカ」や「マンゴー」など、アイスクリームで季節の味覚を楽しむのもいいし、ソフトクリームとアイスクリームの両方味わえる欲張りな「アイス&ソフト」360円も捨て難い。さらに「モカゼリーサンデー」など季節限定のオリジナルデザートも魅力的だから、目移りは必至! あれこれ思い悩むのも幸せな時間だ。
気鋭の和食店が手がける、上質な“和素材“のジェラート。
予約が約1年待ちという人気を誇る和食店〈赤坂 おぎ乃〉。店主を務める荻野聡士さんが監修する初の和スイーツ店として、2023年11月に登場したのが〈赤坂 おぎ乃 和甘〉だ。
荻野氏は、京都の老舗〈嵐山 吉兆〉を経て銀座の名店〈小十〉で研鑽を積み、30歳の若さで姉妹店〈奥田〉の料理長を務めた気鋭の料理人。
そして〈赤坂 おぎ乃 和甘〉において、焼きたての生地で包む「生どらやき」と並ぶ2大看板が、季節の和素材を使った「和ジェラート」。もともと〈赤坂 おぎ乃〉の会席の締めとして出され、好評を博していたジェラートが気軽にテイクアウトできるようになったのだ。
たとえば「抹茶」は宇治抹茶の老舗、京都〈奥西緑芳園〉の茶葉をたっぷりと使用し、ひと匙口に入れると抹茶のほろ苦さと旨味、そして豊かな香りが溢れんばかりに立ちのぼる。200年もの間変わらぬ製法を貫く徳島〈岡田製糖所〉の阿波和三盆を使った「和三盆」は、柔らかで深みのある甘みに満たされる。ほかに焙じ茶や練乳など、日本の素材をふんだんに使った味わいは、後口がすーっと消え去るように軽やかで、ついつい「いくらでも食べられる!」と思えてしまうほど。確かにジェラートでありながら、和菓子をいただいたような食後感。素材の良質さを感じる、一流和食店監修ならではの“ご馳走ジェラート”だ。
夢のように美しく、究極にリッチなソフトクリーム。
超予約困難店として知られる代官山の薪火焼きイタリアン〈TA CUBO〉。その田窪大祐シェフが2021年12月、「レストランで出すクオリティそのままで提供する」ことをテーマに代官山にオープンしたパティスリー〈ドルチェ タクボ〉。原価にとらわれず最上級の素材を使い、レストランの料理と同様の感覚でレシピを組み立てる。たとえばフィナンシェであればお客のピックアップ時間から逆算して焼き上げ、シュークリームはその場でクリームを詰めるなど、常にベストの食べ頃で提供することを徹底している。
その注目の2号店が初のイートインエリア(6席)を併設した〈ドルチェ タクボ カフェ〉。フィナンシェやカヌレなど定番の焼き菓子に加え、初お目見えしたのがソフトクリーム。まるで咲き誇る花のような、ドレープを重ねた優美なルックスとゴージャスな価格帯が相まって、早くも虎ノ門ヒルズ界隈の新アイコンとなりつつある。
味の要となるのは、誰が呼んだか「ソフトクリーム界のフェラーリ」と謳われるイタリア〈カルピジャーニ社〉の最高級ソフトクリームサーバー。材料に空気を含ませる割合を1%単位で調整できるため、えも言われぬふんわり&滑らかな舌触りが実現できる。田窪シェフは究極にエアリーな口溶けを目指し、ギリギリのラインまで空気を混ぜ込むことに試行錯誤を重ねたとか。空気をたっぷり含み、保存料など余計な素材は極力不使用。特殊な形状の口金で絞ることで生まれる、あのレースを重ねたような美しいフォルムをうっとり愛でつつ、垂れないよう素早くスプーンで掬って食べる…このせめぎ合いがまた楽しいのだ。
そしてミシュラン獲得レストランならではの実力を感じられるのが、季節素材を使ったシーズナルメニュー。
過去に「ピスタチオ」や「桜」などが登場し、現在は「塩キャラメル」を販売中。イギリスの名品〈マルドン〉の海塩を使用し、キャラメルのほろ苦さにミネラリーな旨味と塩みをプラス。甘みと苦味、塩みの塩梅が絶妙だ。胡桃とアーモンドをキャラメリゼしたトッピングのクオリティもさすがで、いつしか上質なアシェット・デセール(皿盛りデザート)を食べている気分になる。 シーズナルは1000円超という“攻め”の価格設定も含めて、これはもうグルメソフトクリームとでも呼んでしまいたい。ラグジュアリーなアイス体験ができるはず!
いわば食べるカクテル! 季節のフルーツを贅沢に使ったフローズンマルガリータ。
ニューヨーカーたちに長年愛され、2022年10月にアジア第1号店として神谷町に上陸したN.Y発のイタリアンレストラン〈スカルペッタ東京〉。ちなみに“スカルペッタ”とは、イタリア語でお皿に残ったソースをパンで拭ってきれいに食べるジェスチャーを意味し、最後の一口まで食事を楽しむ喜びを表現しているのだとか。
店内にはダイニングのほか充実のバーエリアがあり、天井高5m超の開放感は格別! まさにアペリティーボ(ディナー前にアルコールと軽食を楽しむ食習慣のこと)や食後の一杯に活用するのに最高の環境だ。
ここで夕暮れ時にぜひとも味わいたいのが、昨夏の登場から好評を博す「フローズンマルガリータ」。〈スカルペッタ東京〉流にツイスト(=アレンジ)したレシピは、旬のフルーツをふんだんに使い、まるでフルーツソルベを頬張るようなみずみずしさ!
メニューは月替りで、7月の「マンゴー」に続き、8月は「メロン」。カクテルグラスの底に完熟のマスクメロンをカットして敷き詰め、テキーラ(「ドン フリオ ブランコ」)、メロン果汁、メロンフレーバーのリキュールなどを合わせたフローズンマルガリータを重ね、さらにメロン果汁入りマルガリータのエスプーマをふんわりとオン。セージの葉を一片、トッピングして完成。
フローズン、そしてエスプーマ(ムース)と2つの食感が楽しいマルガリータは、ひと匙ごとに完熟メロンの甘美な香りと甘味が溢れ、かき氷やソルベを食べる感覚でどんどんスプーンが進んでしまう。これって知らぬ間に酔ってしまうヤツ…!
9月から登場する「シャインマスカット」も、高糖度のシャインマスカットの甘味と香り、歯ごたえが堪能できる仕上がり。
まだまだ暑さの残る夕暮れ時はこんな涼やかなカクテルで喉を潤したい。晩夏に最高の一杯だ。
今夏新登場! マスカルポーネがアクセントのフルーツかき氷。
神奈川・平塚の無添加シャルキュトリー工房〈PURE FARM〉のソーセージを使ったグルメホットドッグが看板の〈THE STAND〉に、今年7月下旬からかき氷が新登場した。
種類はイチゴとマンゴーの2種。ジューシーなフルーツピューレに果肉がゴロリと載った、フルーツ感たっぷり&食べ応えたっぷりのかき氷だ。
まず底面に同店で人気のソフトクリームを敷き、その上にシェイブアイスを重ね、果実味豊かなピューレをたっぷりと。味のポイントとなるのが、トップに盛り付けるマスカルポーネクリーム。マスカルポーネチーズを加えてホイップした生クリームで、この程よい酸味とコクが味わいを引き締める。
テイクアウトまたは店頭の立食スペースが基本だが、店舗のある2階の共有スペースに設置されたテーブル席で味わうことも可能。炎天下を避ければ屋外のテラス席で食べるのも夏気分を満喫できて最高! 今夏スタートしたばかりのニューフェイス、今後まだまだ新メニューも登場しそうで、楽しみだ。