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深水光太
CULTURE | 2024.4.15

〈Circles Tokyo〉と考えた、東京サイクリングコース。

SELECT by BAYCREW'Sの一角に位置するのが、関東初出店となる名古屋の自転車店〈Circles Tokyo〉。希少なハンドメイドバイクを多彩なパーツやアクセサリーとともに取り扱い、国内のライドカルチャーを牽引してきた彼らが東京店においても変わらず大切にするのは、“乗る楽しさ”を伝えることだ。今回は〈Circles Tokyo〉とともに気軽に、かつ心地よく走ることができるサイクリングコースを考案。SELECT by BAYCREW'Sがある虎ノ門を起点に、スタッフの石川大稀さんの案内で、半日限りのショートトリップへと出かけた。

Photo: Hiromichi Uchida / Illustration: Kiyoshi Okabe / Text: Emi Fukushima / Edit: Shigeo Kanno
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サイクリングコース

「サイクリングコースは、施設やお店など、自分の行きたいポイントの目星を立ててから、そこへのベストな道筋を考えていくのがオススメです。特に今回は、東京ならではのカルチャースポットを目的地にしながら、ビギナーの方でも挑戦しやすいよう、道幅が広くて坂道が少なく、風景が存分に楽しめるルートを考えてみました」。

そう話すのが〈Circles Tokyo〉スタッフの石川さん。日頃から都心での街乗りを楽しむという彼とともに、まずは虎ノ門ヒルズ ステーションタワーから桜田通りを南下した。この辺りは、交通量は多いが道幅が広くて自転車でも走りやすいのが嬉しいポイント。5分ほど走ったところにある永井坂の交差点で立ち止まり、東京タワーをほぼ真下から眺めると、ここから始まるサイクリングへの気分も高まっていく。

続いて六本木方向へ。一見巨大なビルばかりに囲まれたエリアかと思いきや、自転車で走ることで、都会にある自然の豊かさも目に飛び込んでくる。春には満開の桜が咲き乱れる遊歩道を見つけたので、自転車を降りて散歩を楽しむことにした。そして、少し移動して〈21_21 DESIGN SIGHT〉、さらには表参道方面へ向かい〈根津美術館〉と、都内屈指のアートスポットをハシゴ。展覧会を見るのもいいが、安藤忠雄、隈研吾ら、日本を代表する建築家が手がけた美術館を外から眺めるだけでも、見応えは抜群だ。

次は、外苑前方面へと自転車を走らせる。「歩きや車よりスポット間の移動がしやすいのもまた、自転車の醍醐味なんです」と話す石川さんの次のお目当ては、SELECT by BAYCREW'S にスペースを展開する title: を手掛けるアートブックショップ POSTが運営する〈新建築書店|POST Architecture Books〉。

建築に関連するアートブックや写真集のほか、建築家による選書棚に並ぶユニークな本たちを満喫した後、少し足を伸ばして新国立競技場へ。2019年の開業以来、新しい東京のシンボルとなったスタジアムを、観光客気分で楽しんだ。

キャップ 6,380円(税込)/ NEW ERA × Circles ジャンパー 72,600円(税込)/ SIERRA DESIGNS× Circles スウェット 14,850円(税込)/ Champion× Circles パンツ 18,150円(税込)/DICKIES× Circles

ちなみに、狭い道や交通量が多い道に出くわすことも多々ある都心では、「コンパクトで小回りがきく小径車がオススメ」と石川さん。この日の相棒は、アメリカ・オレゴンのハンドメイド自転車メーカー〈BIKE FRIDAY〉のPocket Rocket。折りたたみの小径車ながら、しっかり走れる設計で街中からツーリングまで多彩なシーンで活躍する一台。

電車への乗り入れも容易なので都心のライドには最適だ。

〈Circles〉スタッフの石川さん

今度は明治神宮外苑のいちょう並木へ。少し疲れてきたので、道沿いのベンチで小休憩。都心とは思えないのどかな空間に心と体をリフレッシュしたら、いよいよサイクリングも終盤。皇居を囲むお濠の美しい景色を眺めながら爽快に駆け抜け、虎ノ門周辺には戻ってきたけれど、名残惜しいので締めの一杯を楽しむことに。大正7年創業のコーヒー豆焙煎の老舗〈松屋珈琲店〉のアイスコーヒーで喉を潤しながら、サイクリングの余韻を楽しんだ。

「自転車に乗る時間は、ほどよい運動にもなるし、何より気持ち良いので気分転換にもなる。今後は、虎ノ門を起点にしたライドイベントも企画予定なので、自転車好きも、初心者の方も気軽に参加してもらえたら嬉しいです」と石川さん。今回のコースをなぞってみるもよし、自分なりに新しいコースを開発してみるもよし。自転車だからこそ出会える東京の風景を、ぜひ思い思いに楽しんでほしい。