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CULTURE | 2025.2.21

モデル・田中シェンさんが、カスタムバイク店〈Circles Tokyo〉へ潜入!

〈SELECT by BAYCREW’S〉の広大なフロアの中でひときわ存在感を放つのが、名古屋を本拠地に持つ自転車店の〈Circles Tokyo〉。完成車はもちろん、多彩なパーツやアクセサリーが並ぶ店内を、モデルでイラストレーターの田中シェンさんが興味津々で見て回った。

473,000円 BASSI BIKES HOG'S BACK

Photo: Kochi Kazushige / hair & make-up: Ryoko Ushio / Text: Emi Fukushima / Edit: Shigeo Kanno
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コンパクトな店内で、壁や天井をところ狭しと埋め尽くすのが、さまざまな色や素材のフレームにハンドル、サドルやタイヤ、そして多彩なバイクアクセサリーや、ライドカルチャーを反映したアパレルの数々――。〈SELECT by BAYCREW’S〉の3Fフロアの一角に位置する〈Circles Tokyo〉では、体型や体格、要望に応じて、オリジナル、あるいは海外ビルダーから輸入したさまざまなパーツをカスタマイズしてビルドアップしてくれる。初心者からバイク好きまで、一人ひとりにとっての最適な1台を提案している。

店内を見渡して、「こんなにいろんなパーツがあるんだ……!」と圧倒される田中シェンさん。普段は、気軽に自宅の近所を行き来するツールとして自転車に乗ることもあるそうだが、中・長距離の移動にも適した趣味性の高いクロスバイクやロードバイクはビギナーとのこと。

スタッフの吉本さんとモデルでイラストレーターの田中シェンさん
スタッフの吉本さんにレクチャーをうける。
スタッフの吉本さんと説明に耳を傾ける田中シェンさん
さまざまなパーツに目を向けつつ、〈Circles Tokyo〉スタッフの吉本直史さんの説明に耳を傾けるシェンさん。

「もともと興味はあったんですが、気軽に足を踏み入れてはいけないディープな世界のような気がして、どこかハードルの高さを感じていました。でも今日はお仕事にかこつけて、初歩的なことから学べる絶好の機会(笑)。すごく楽しみです」と意気込みも十分だ。

出迎えてくれたスタッフの吉本さんによれば、〈Circles Tokyo〉でのバイクの選び方は主に3種類あるそう。まずは、骨格にあたるフレームを起点に必要なパーツをそれぞれ選んで組み立ててもらうカスタムオーダー、そして、体の正確な寸法を測り、体型や体格、乗る際の姿勢などに応じてフレームを一から手作りするフルオーダー。そのほか、既に組み上がっている完成車の中から好みのものを選んで購入することも可能だ。

ハンドルのパーツを持つ田中シェンさん
「ハンドルにもいろんな形があるんだ!」とシェンさん。

「これはどこのパーツなんですか?」と質問してみたり、展示されているいくつかの完成車にまたがってみたりと、自由に店内を見てまわるシェンさん。“もしカスタムバイクを買うなら……”と想像して、試しにフレームを選んでみることに。

「私が普段乗っているのは電動自転車です。都内は坂が多いので電動のものを選んだんですが、車体がすごく重いので二段式の駐輪場の上の段に停めるのが毎回大変で。次は軽いのがいいですね」とのこと。

そんな要望に対し、「一旦予算は度外視して……」との前置きのもと吉本さんが紹介したのは、アメリカの〈セブンサイクルズ〉が手がけるチタン製フレーム。加工が難しいチタン素材を先駆的に扱ってきたビルダーによるプロダクトで、軽さと圧倒的な乗り心地の良さを誇っている。このフレームから組まれた完成車は、重さにして8kgほど。「確かにすごく軽いです。それに無骨でがっしりした佇まいがカッコいい! 私はファッションでも、男前なスタイリングが好みなので、かなりグッときますね」とシェンさん。

ハンドルを握る田中シェンさん
〈セブンサイクルズ〉のチタン製フレームから組まれたバイクに興味津々。「なにごとも、“最高のもの”から始めたがる性質なんです(笑)」。
フレームの説明を聴く田中シェンさん
チタンのほか、〈Circles Tokyo〉が多く取り揃えるのは鉄製フレーム。傷がついても味になる上、飽きたら一度塗装を剥がして別の色に塗り替えることもできる。

しかし職人たちの熟練技術が詰まったフレームゆえ、完成車の価格は200万円超え。これには「車が買えてしまう価格だ!」とシェンさんも驚くが、〈Circles Tokyo〉では完成車なら10万円程度から、カスタムバイクであれば30万円程度から購入することも可能。フレームだけを決めて、他のハンドルやサドル、フレームに取り付けるヘッドセットやホイールの車軸になるハブなどの細かいパーツは、予算に応じて最適なものを提案してもらうこともできるのだそう。

「フレームはもちろん、パーツごとにいろんな選択肢があるから、どんどんのめり込みたくなる気持ちが分かります。初心者からすると、10万でも30万でもやっぱり大きな買い物だし勇気がいるけれど、見方を変えれば、車代わりの移動手段になるし、健康にも良いですよね。ジム代だって浮くかもしれないし(笑)。行動範囲が広がって、今までより新鮮に東京を楽しむこともできそうです」

ライドカルチャーは、ファッションから始めるもよし。

フリースキャップをかぶる田中シェンさん
日本生まれの帽子ブランド〈No Cap〉のフリースキャップをかぶっての一幕。保温性抜群のイヤーマフは取り外し可能。寒い冬のライドも安心だ。

また、アメリカのライドカルチャーを反映した多彩なアパレルやプロダクトの数々も〈Circles Tokyo〉の醍醐味。オリジナルから輸入品まで幅広く取り揃え、バイクと合わせて“乗る楽しさ”を提案している。

「これかわいい!」の声とともにまずシェンさんの目に留まったのは、〈ベッドロックサンダルズ〉の《マウンテンクロッグ》。サンダルスタイルながら、足の甲から先をすっぽり覆う形状ゆえにこのままバイクに乗ることができる優れもの。保温性も高く、冬の寒い時期でも楽しむことが可能だ。

《マウンテンクロッグ》を試し履きする田中シェンさん
《マウンテンクロッグ》を試し履き。スウェード素材のため、雨にも強い。

「履きやすくて脱ぎやすい! 踵に調節できるベルトがついているから歩きやすいし、底がフカフカしていて履き心地がいいですね」と気に入った模様だ。続いて手に取ったのは、〈Circles Tokyo〉とバッグブランド〈TEMBEA〉のコラボレーションによって生まれたバスケットジップトート<TEMBEA × Circles / ROLL TOP TOTE FOR 137>。アメリカの老舗ブランド<WALD>によるバイクバスケット《WALD137》にピッタリフィットするように作られており、トップがロールトップ仕様のため荷物の収納量も多い。使い込んでいくたびの経年変化も楽しめるアイテムだ。「しっかりした素材で大容量だし、色味も可愛いですね」。

バッグを選ぶ田中シェンさん
<TEMBEA × Circles / ROLL TOP TOTE FOR 137>が気に入ったシェンさん。ワンショルダーやたすき掛けにすることもできる。
バッグをベルクロでカゴに固定
サイドのベルクロを使えば、カゴに固定することも可能。

その他にも、リュックや帽子、レインウェアなど、気になるアイテムを次々と手に取りながら、「ファッションから始めてみるのもいいかもしれませんね」とシェンさん。

「デザインも可愛いし、機能的にも優れているものばかりなので、日常にも取り入れやすい。いきなりバイクを買うのは躊躇してしまう人でも、気軽に始められそうですね」

バッグパックを背負う田中シェンさん
自転車に乗る時はバッグパック派だというシェンさん。〈Circles Tokyo〉と〈OUTDOOR PRODUCTS〉のコラボアイテムも背負ってみる。
アノラックを試着する田中シェンさん
身体をすっぽり覆い隠してくれる〈CLEVERHOOD〉のポンチョ型も試着。「カゴの荷物までカバーしてくれるのは嬉しいですね」。
ウエストバッグを装着する田中シェンさん
〈TEMBEA〉別注のナイロン素材で作られたウエストバッグ。

また〈Circles〉では、定期的にライドイベントも開催している。「毎月の最終日曜日に朝に開催しているモーニングライドでは、皇居周辺を自転車で巡り、皇居の芝生でRITUELのコーヒーと朝食を楽しんだり、周辺の名店を訪れたりする内容で開催されています。10kmを2時間程度で走行する内容なので、初心者でも気兼ねなく参加できるライドコミュニティの場です。また、このライドでは<Circles tokyo>の試乗車に乗っていただくこともできますので、自転車を始めてみたい方でもご参加いただけます」。と吉本さんは熱弁。

「レンタルできるのは、ビギナーとしてはすごく嬉しいですね。グッとハードルが低くなるような気がします。でも実際に乗ってみたら、やっぱり自分の1台が欲しくなっちゃうんだろうな……。〈Circles Tokyo〉さんの作戦にまんまとはまっちゃいそうです(笑)」。

こうして、店内を隅から隅までじっくり満喫したシェンさん。「カスタムと聞くと難しそうな印象だったけど、具体的にどんなふうにバイクを選ぶのかのイメージも掴めたし、スタッフの方と相談しながら決められることも分かってすごく安心しました。フレームはどんな色や素材で、ハンドルはどんな形がいいか……、街中で見かけるバイクも気にしながら、自分なりの理想の自転車像をじっくり膨らませていきたいです」。そう話しながら、お店を後にした。