ホリデーシーズンは〈title:〉へ! ユニークで自分らしいギフト選び。
仕事、イベント、忘年会など、ホリデーシーズンは何かと慌ただしい。でも、大切な人へのギフト選びは手を抜けない。背伸びし過ぎず、想いを込められるギフトが見つかるのが、キュレーション型のポップアップスペース〈title:〉。スペースエイジ・プロダクツが並ぶ空間を訪れたのは、審美眼を持つクリエイター3人。“誰に、どんな想い”でギフトを贈るか、その視点やセンスは自分らしさに溢れていた。
落語家・瀧川鯉斗さんが贈るギフト

「普段ギフトは、消耗品を贈ることが多いです。というのは、やはりカタチに残るものは、親交が深い相手じゃないと贈って喜んでもらえるか不安になるし、相手に気を遣わせることもあると思うんです。だから食べ物や筆記用具、あとはコスメ類がギフトの定番。今日はそんなことを意識して選びました」
師匠へ贈る『1970’s製のデスクオーガナイザー』

「噺を後世に残すために字に記したり、新ネタを書いて覚えたり、お世話になった方へお手紙を書いたり、と落語家は“筆記用具”がないと成り立たないと言えるくらい、よく書き物をしています。だから筆記用具やペン立ては喜ばれるんですよ。1970’s製のデスクオーガナイザーは、机上に置いて邪魔にならないコンパクトさがいい。性別や年齢も問わずに渡せるデザインなので、これは日頃から世話になっている師匠に贈りたい」

友人へ贈る『Danlowのパロサント』

「落語の演目の中で香木は登場したりします。現代なら、性別や年齢問わずに楽しめるパロサントを。友人宅への手土産やちょっとしたプレゼントにうってつけの価格帯で、クリスマスや正月だけでなく、いつ持って行っても困らないシーズンレスな点もちょうどいい」

先輩へ贈る『ヴィンテージの飾り振り子時計』

「消えものではないけど、時計は多くの人に喜ばれるものじゃないかな。誰にも平等に与えられた“時間”を表示する道具だから、生活で心がけていない人はいない。ただ腕時計は人それぞれの趣味が出やすいものだから贈りにくい。ちょうどいいのが小ぶりな置き時計。これならインテリアの邪魔にもならない。ちょっと値が張る〈SEIKO〉の飾り振り子時計は、いつもお世話になっている先輩へ。引っ越し祝いのような特別なギフトなら友人に贈るのもアリかな」

建築家・上野有里紗さんが贈るギフト

「昔からホリデーシーズンは家族でパーティをやるのが恒例です。ギフトは、大人になると消えものを渡しがちですが、できるだけそうやって“逃げない”ようにしていきたいと思っています。どんなギフトを贈るかは、“これが欲しそう”という観点ではなく、相手が経験したことや趣味やセンスなど、どこかに引っ掛かるストーリーを自分なりに膨らませて、手渡す時にヒネリのある一言を添えられるものを選ぶようにしています。自分である程度のものを買える人の場合、何を受け取るか以上に、ギフト選びにどれだけ思考を巡らせたかが嬉しいことだったりもすると思うんです。だから、相手を想い、よく考える。自分にとっても、ギフト選びはどんなヒネリを持たせることができるかワクワクする心地よい時間です」
母へ贈る写真集『derek jarman’s garden』

「たとえば、エジプトの考古学関係の仕事をしていた母には、過去にナイル川にまつわる香りを表現したフレグランスを贈ったことがあります。今年渡すなら、映画監督として活躍したデレク・ジャーマンに関連する写真集『derek jarman’s garden』とか。母が好きな女優、ティルダ・スウィントンのデビュー作である映画「カラヴァッジオ」でメガホンを取った監督で、彼が晩年にHIVであることを宣告され、イギリス郊外に築いた“終の棲家”を収めた一冊です。住まいは、原子力発電所が最寄りにある殺伐とした風景の中にポツンとある掘っ建て小屋。その周りは植物に囲まれ、住まいの壁や屋根は真っ黒に塗装し、窓枠だけが黄色。自分なりの楽園とした場所は、まるでメメントモリーのような華やかさと不気味さが共存した世にも珍しい場所で、母はおそらく“知らないけど、興味を持つ1冊”になると思い選びました」

パートナーへ贈る写真集『VIAGGIO IN ITALIA』

「パートナーと来年にイタリア旅行を計画しているので、1980年代のイタリアの日常や風景を収めた写真集『Viaggio in Italia』をギフトに選びました。過去にスペイン・バルセロナを旅した時に、都市にまつわる小説を読んで訪れたことで、知識のレイヤーが増え、より豊かな経験になりました。私と似た感性を持つパートナーなので、同じような経験をイタリアで楽しみたい。また『Viaggio in Italia』は、そこに映る場所や建物のクレジットが掲載されているので、現代の風景と見比べる旅にしても面白そう」

スタジオの仲間へ贈る『SPACE CHESS(スペースチェス)』

「スタジオの仲間たちと、2025年の忘年会はボードゲームで盛り上がろうと話していたところで、ぴったりのものを見つけました。宇宙がテーマの『SPACE CHESS(スペースチェス)』です。宇宙飛行士やスペースシャトル、太陽系の惑星がチェスの駒になった、あまり見たことがないモチーフに惹かれました」


スタジオの仲間へ贈るギフトのおまけに・・・『マグネットトイ』
「忘年会で『SPACE CHESS』大会を開催する際は、優勝者には、“宇宙に関連した素敵なギフトを用意しています”と前置きした上で、決勝戦の決着がつくまで、釣って、釣って、最後にUFOが牛を誘拐する『マグネットトイ』を渡すという演出を思いつきました。自分ではなかなか買わないものだけど、凝った仕組みでスタジオメンバーの興味を引くものだと思うんです。おまけにクスッと笑えるものでもある。そんな演出が大好きなメンバーなので、年の締めくくりをみんなで笑って迎えられるように、ちょっとしたサプライズとして用意したい」

スタイリスト・濱本愛弓さんが贈るギフト

「ギフトは面白さよりも、実用性。使ってもらえないものを渡しても仕方ないので、自分が受け取って“いらないもの”は贈らないのが大前提です。贈る相手や状況に応じて、1,000円、3,000円くらいの価格がちょうどいい場合は、フルーツを選ぶようにしています。高額でない場合でも、たとえば3,000円の桃ならとても高価なギフトと感じてもらえるし、自分でわざわざ買おうと思わない、だからサプライズにもなる」
夫へ贈る2冊の作品集『WORKBOOKS』『27 Drafts』

「ファッションブランドのPR会社を運営する夫には、仕事のインスピレーションになりそうな写真集を2冊選びました。どちらも写真の配置や文字のレイアウトが面白くて、カタログやヴィジュアル撮影などのアイデアソースになりそう、というか、なれば嬉しいな。ギフト用のラッピングの代わりに、エコバックとセットで。美術館などを訪れたついでに購入したスーベニアのトートバッグをよく愛用しているので、エコバックを“おまけ”にして贈りたい」

娘へ贈る『ALFのぬいぐるみ』

「これは、娘の采季(とき)ちゃんへ。采季ちゃんが好きそうなものというよりは、“私が贈りたいもの”。娘が抱えていたら、クスッと笑えると思った逸品です。娘だから“女の子らしいものを持たせる”という方針ではなく、自由な感性を養ってもらいたいという思いで育児をしています。だから、誰もが可愛いと思う“ザ・キュート”な雰囲気ではないぬいぐるみをあえて贈りたい。見た目は、うちの愛犬のコケシちゃん(犬種はペキニーズ)のようなモジャモジャで、眉毛はボーボー。采季ちゃんがぬいぐるみのどこに“魅力”を感じるか、そこを探る様子も親としては楽しみにしたい」

友人たちへ贈る「キーホルダー」

「友人とのクリスマス会で、2,000円、3,000円縛りでギフトを持ち寄ろうということってよくあるんです。そんなときにちょうどいいのがキーホルダー。バッグ、ポーチ、鍵に付けられて、大人っぽい人でもハズしになるチャームを選びました。ウィットに富んだスタイリングのアクセントになるし、トレンドでもあるからファッション業界の人からも喜ばれます。アイテムのラインナップが幅広い〈title:〉は、宝探ししているような楽しい時間を過ごせるのでまた来店したい」


