椅子とわたし。腰掛けるときにどんなことを考える?
食事をしたり、仕事をしたり、ぼーっともの思いにふけてみたり。椅子は人生をともに過ごす相棒。そんな大切な存在との向き合い方を8人に聞いてみました。SELECT by BAYCREW’Sで1月27日(月)まで開催中の「椅子展 -座るデザインの風景-」に展示されているヴィンテージチェアとともにお届け。
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「わたしの部屋は上の方に小さな窓があるんです。座高の低い椅子に腰掛けて、ゆっくりとうつろう風景について想いを馳せることが多いですね。青空や流れる雲だけが見える空間ですけど、わたしにとっては特別な世界に感じるんです」。
チェア:Lounge Single Sofa/デザイナー:Anonymous
イタリアで生産されたヴィンテージソファ。まるでぬいぐるみに包み込まれているような、柔らかく座り心地のよい素材使いが特徴。95×85×89 cm(SH43)。275,000円
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「実は最近、執筆活動で忙しくじっくりと物事を考える時間が作れなくて。デジタルデトックスして、ゆっくりと本を読んだりしたいです。そんなときに、お気に入りの椅子があれば完璧ですね」。
チェア:S45 "Chlacc” Chair/デザイナーPierre Chapo
木工職人としても活躍したフランス・パリ出身の家具デザイナー、ピエール・シャポの作品。同種の家具を製造する特許製法の名前から「Chlacc」とも呼ばれている。43×55.5×105cm (SH46)。660,000円
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「椅子に座っているときはとてもリラックスしている状態。背もたれまでぐっと深く腰掛けて、今目の前のことについて考える時間が好きです。生地の表情を変えるために織り機をどう改良しようかなとか。色々なことについて向き合うけれど、最近は仕事に関する考え事が多いかもしれませんね」。
チェア:Metal Three Leg Stool/デザイナー:Anonymous
直線的なスチール製のレッグがエッジィな印象を与えるスツール。53×53×69.5cm。71,500円
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「今日のごはんはなんだろう……? でしょうか。まあ、ぼくのごはんは毎日、カリカリのお芋かササミがトッピングされているだけなのですが……。人間のごはんが鍋のときは、白菜がもらえるので、飛び上がるくらいうれしいです」。
チェア:Efebo Stool for ARTEMIDE/デザイナー:Stacy Dukes
元々は子供椅子やバスルーム用に作られたグラスファイバー製のスツール。この個体はフランスの有名なスキーリゾート「Les Arcs」から入手した1960-70年代のもの。32×39×42cm。99,000円
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「いつも頭の中で、何人もの自分が会話しているんです。仕事のこと、社会のこと、あとは僕以外の人間のことを勝手に占ってみたり。次から次へと考え事が止まらなくて、まるで夢のように発展していく。そんなひとときは、自分にとって必要なんです」。
チェア:Rattan Stool/デザイナー:Isamu Kenmochi
日本の伝統性を重んじながら独自のジャパニーズ・モダンを追い求めた剣持勇の作品。日本の伝統技術とモダンデザインが融合された、唯一無二のスツール。176,000円
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「うーん、いつも食べ物のことを考えていますね。今晩は何を作ろうかなとか、これ美味しいなとか。自分にとってご飯はエネルギーチャージできる大切な要素なので、きっといくつになっても変わらないと思います」。
チェア:”SECONDA” Chair/デザイナー:Mario Botta
マリオ・ボッタが設計した建築のインテリアとしてデザインされた。直線的なフレームラインや円柱形のクッション、パンチングシートなどが融合した、ミニマルなムードが魅力。53×56.5×71cm (SH46)。286,000円
椅子に腰掛けるとき、どんなことを考える?
「何も考えていないですね。基本的に僕が椅子に座るときは仕事中。お客様の髪を手入れするときです」。
チェア:Dining Rush Chair/デザイナー:Pierre Cruège
1950年代、ピエール・クルジェによるデザイン。籐編みの座面に、造作的な美しい脚の組み合わせが特徴。49×43.5×81 cm (SH44.5)。132,000円