スタイリスト加藤かすみが選ぶ、この冬“本当に使える”アウター5。
寒さに耐えるためだけの服選びは、もう卒業。そう自分らしく、今の気分で羽織れる一着を選ぶことが、冬のおしゃれをもっと自由にする鍵。今回は、スタイリングのプロである加藤かすみさんが、この冬リアルに着たいと感じたアウターを、愛あるコメントとともにセレクト。シルエットの変化や色のニュアンスにも注目しながら、冬の装いを楽しむヒントをお届けします。
select 01 <SEVEN ROOMS>のキャメルコート

ホリデーシーズンの主役にふさわしい、リッチなボア素材のロングコート。「毛足が長すぎずコンパクトな設計で、重く見えがちなボアでもスマートに着こなせるのが魅力です。レストランでアウターを預けたときに、“いいコートですね”と言われたい一着」。

「中には透け感のあるジャケットのボウタイブラウスをレイヤードし、抜け感のあるデニムでドレスダウン。特別な日だけでなく、インナー次第で日常にも落とし込めます。ロング丈のアウターは、所作までも美しく演出してくれるのもいいですよね」。
select 02 <Ienki Ienki>のダウンジャケット

「こんなにコンパクトで、バランスがいいダウンって珍しいんです」と加藤さん。「パネルのピッチが短く、ダウンの入れ方も美しく、ボリュームが出すぎずさらりと着られるシルエットが魅力。ウエストを絞るとエッジィに着られるし、そのままふんわり羽織っても可愛い」。

カラーは思い切って赤をチョイス。「ダウンって黒を選びがちだけど、むしろ色で遊びたくなる。マットな質感だから派手になりすぎず挑戦しやすいんですよね。合わせたいのは、あえてニットではなくコットン素材の硬めのジャケットや、短い丈のボトム。ダウンが丸く見えすぎず、全身のバランスが締まるんです。赤を主役にした、新鮮な大人の冬スタイルです」。
select 03 <MACKINTOSH>のコート

ミニスカートとロングブーツに合わせた、クラシックなステンカラーコート。「直線的で美しいシルエットと、端正な黒が醸す品の良さは、改めて“名品の力”を感じさせてくれる。ミニ丈のボトムが気になる世代でも、丈の長いアウターでバランスを取れば挑戦しやすいはず」と加藤さん。

「2、3年前まではアウターといえばロング丈一辺倒。ですが最近はショート〜ミドル丈がかなり増えてきました。<マッキントッシュ>のコートはクラシックを軸にしながらも、時代に合わせたアレンジを効かせたスタイリングができるので、ぜひ手に取って欲しいなと思います」。
select 04 <YVES SALOMON>のダウンジャケット

<Deuxième Classe>のタートルネックニット25,300円、<ALONPI>のストール105,600円、<THE ROW>のバッグ262,900円、< Deuxième Classe >のパンツ53,900円
上質な艶と光沢感が魅力の、ファー付きフードダウンジャケット。「このコートの上品さや綺麗さを引き出すために、あえて崩さず丁寧にコーディネートしたいです。軽やかな薄手ながらしっかりと暖かく、日本の冬にはちょうどよい一着」。

「全身をホワイト系でまとめると、オケージョンシーンにも映える洗練されたスタイルに。足元はベージュのブーツやスニーカーで抜け感を。大人のカジュアルと華やかさを両立してくれる、流行を問わず重宝するアウターです」。
select 05 <AP STUDIO>のエコファージャケット

加藤さんが最後に選んだのは、艶やかなブラウンの色味が印象的なエコファージャケット。「昔は若々しいイメージが強くて大人が着るにはハードルが高かったけど、最近はデザインの幅が広がり、バランスのものが増えてきたと思います」と加藤さん。

「ノーカラーのデザインや軽さも魅力で、ロゴスウェットやボーダーを合わせた崩しがちょうどいい。パンツには端正なスラックスを合わせて、下半身にもほどよくボリュームを。ベージュ系でまとめることで、カジュアルすぎず大人の余裕を感じさせるスタイリングにまとめました」。

